トレーニング環境における自宅とジムの関係

前回は、3つのパラメータのうち、基礎代謝を掘り下げた。このブログでは、基礎代謝をダイエットのエンジンと呼んでいる。これは、基礎代謝が代謝のうち6割を占め、ヒトが生きていく上で日々必ず消費されるエネルギーであるためだ。まずは自分の基礎代謝を知り、そして、食事、サプリメント、運動という3つのアプローチによって、基礎代謝を向上させることで、太りづらい身体を作ることができる。

さて、今回から、2つ目のパラメータである、運動代謝を掘り下げていこう。前回、基礎代謝を向上させるための3つのアプローチのうちの1つとして、軽めの運動を紹介した。ウォーキングや座位および立位姿勢の改善である。これらと比較した場合、運動代謝では、よりハードな、無酸素運動、有酸素運動にフォーカスしたい。

個々の無酸素運動、有酸素運動に関連したトレーニング手法を説明する前に、まずは、トレーニングのための環境について述べておこう

トレーニングを行う環境は、原則、ジムと自宅の2パタンだろう。ジムに通えば、専属トレーナーによる効果的なアドバイスと、効率的なトレーニングメニューを享受できる。自分ひとりでは長続きしない、決められた時間にトレーニングしたいという人については、ジムに通うこをとオススメする。

一方、自宅トレーニングの場合、トレーナーが存在しない分、当然ながら、追い込みがジムに比較して難しい。しかしながら、自分の好きな時間にトレーニングをできる、また、コストは初期投資のみであるから、コストパフォーマンスもよいといったメリットがある。

両者を比較した上で、ダイエット工学初心者は、まずはジムに通うほうがよい。なぜならば、トレーニング方法を自己流で癖をつけてしまえば、効率的、効果的な体重管理を実現できないためである。まずは、自分にあったトレーニング理論・手法を覚えるためにも、ジムに3-6ヶ月程度通うことが理想的だ。半年を経て、トレーニングの基礎を理解したら、自宅トレーニングに移行するとよい。

では、オススメのジムはどこかと問われたならば、これは予算によって変わってくる。例えば、CMでお馴染みの「ライザップ」は、入会金と平均的な2ヶ月のコース料金で合計約35万という高額の費用がかかる。30日間の全額返金保証がある。つまり、納得の行く成果を出すことができなければ全額返還される。周囲の声を聞く限り、ほとんどのケースで目標体重を達成している。逆に言えば、35万円を払う金銭的余裕と強い意志があるならば、ほぼダイエットに成功するということだ。

ライザップ

よりコストをかけずに最大限のパフォーマンスを達成するための方法の1つに加圧トレーニングがある。水道橋博士が利用していたことで一躍有名になったトレーニング手法だ。加圧トレーニングは、特殊なベルトを腕の付け根、ないし、脚の付け根に取り付けることで、血流をコントロールする。一時的な酸欠状態にすることで、成長ホルモンを飛躍的に放出させることができるとされている[1]。

[1] Takaradaらは最大筋力の20%の負荷強度でのレッグエクステンションによって血中成長ホルモン濃度が安静時の約290倍に増加したことを報告している。
Takarada Y, Nakamura Y, Aruga S, Onda T, Miyazaki S, and Ishii N.
Rapid increase in plasma growth hormone after low-intensity resistance exercise with vascular occlusion.
J Appl Physiol 88: 61-65. 2000.

オフィシャルウェブサイトでは、エリアごとに正規の加圧トレーニングを受講できるジムの一覧も掲載されているので、興味を持った人は是非覗いてみてほしい。ジム以外にも整骨院等でトレーニングを受けることも可能だ。この場合、ジムよりも低額でトレーニングを受講できる。また、講習を受ければ、ベルト自体も購入することができるので、自宅トレーニングに活用できるだろう。

加圧トレーニングのオフィシャルサイト

次回は、継続的な自宅トレーニングを行うための環境づくりを説明する。