よい油と悪い油

さて、これまで運動と食事を中心に、ダイエット、アンチエイジングのための理論、手法、そして実践例を紹介してきた。今回から、生活全般に渡るテーマも含めて取り上げていきたい。

日本人の多くは、油は太る、油は身体に悪い、と勘違いしてる。実際には、食べた油(脂肪酸)が脂肪に変わるという科学的根拠はない。また、脂肪をエネルギーに変えるには、手間がかかり負担も大きいため、身体は不要な油を排出するメカニズムを持っている。したがって、油を過剰に摂取したからといって太るわけではない。

油は、身体のあらゆる細胞膜の材料にため、身体にとって重要な要素である。ほとんどが脂肪でできている脳細胞をはじめとして、粘膜の生成にも脂肪酸が重要な働きをしている。また、美肌にとっても油は欠かせない。したがって、油は積極的に摂取すべきと言って良い。

しかしながら、油にはよい油と悪い油が存在するということを覚えておく必要がある。良い油は積極的に摂取すべきであるが、悪い油は避けなければならない。では、良い油とは何か?良い油は、以下の3つの条件を満たすものである。

1. 熱を加えずに絞っていること
2. 精製していないこと
3. 酸化していないこと

また、料理法によって油を使い分ける必要がある。詳細は、以下の表1を参照してほしい。
生で食べるならば、いずれも、加熱処理をせずに圧搾されたコールドプレス製法のものを選ぶとよい。
強い火を使う場合には、動物性の脂が適している。また、植物性ならば、パーム油はどんな料理にもあう万能オイルである。

表1. 生用の油と加熱用の油

生で使うのにオススメの油 加熱用にオススメの油
オリーブオイル、なたね油、ひまわり油、ごま油 バター、ラード、パーム油、ココナッツ油、ごま油(軽い炒めモノ程度)、オリーブオイル(弱火の調理)

一方、悪い油は主に2種類ある。酸化した油と化学的に加工された油である。身体に良い油として、亜麻仁油や青魚に含まれるオメガ3脂肪酸が注目されているが、酸化しやすいという弱点がある。良い油でも、時間が経ったり、火を通したりして酸化したものは身体によくないのだ。また、トランス脂肪酸を含む油は、最も身体に悪い油である。トランス脂肪酸は、血管内で固まりやすく、胃や腸に膜を作り、栄養の吸収も妨げてしまう。市販のドレッシングやマヨネーズにもトランス脂肪酸は含まれているのため、せっかくのサラダを取るにしても、これらをつかってしまっては台無しになってしまう。

表2. 避けたい油

避けたい油
避けたい油
サラダ油、コーン油、グレープシードオイル、大豆油などの化学的に加工された油すべて、マーガリン、酸化した油すべて(揚げ物、スナック菓子、インスタント食品、ファストフードに含まれる油)

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