走ることについて語るときに私の語ること

有酸素運動といえばウォーキング、ジョギング、ランニング、サイクリング、エアロビクス、水泳などが挙げられる。中でも今回はランニングについて考えてみたい。

なぜランニングなのか?

数ある有酸素運動の中からランニングを推薦する理由として、まず、脂肪を燃焼する有酸素効果が高いことが挙げられる。一般的にランニング開始20分は脂肪よりも糖分が多く消費され、脂肪は燃えにくい。しかし20分経過後には、それが逆転し始める。

次に、筋肉がつき心肺機能が上がることで、基礎代謝が向上する効果が期待できる。基礎代謝が向上すれば、普通に食事をしても、エネルギー消費が高いので、脂肪として蓄積し難くなる。

さらに、時間や場所を自分の裁量で決められる。例えば、朝にランニングをした場合、夜間に気温が低下している関係で、空気が澄んでいるため、清々しい気分でランニングを楽しめるだろう。また、体内に糖質が蓄積されていないため、効率的に脂肪を燃焼させることができる。一方、夜にランニングをした場合、朝と比較して自由に時間をコントロールできるだけではなく、一日のストレス解消にも役立てることができるだろう。

最後に、シューズやウェアといった初期費用が安いことも魅力的だ。水泳やエアロビクスの場合、ウェアだけではなく、ジムの会員、月会費といったコストが発生する。一方、ランニングの場合、シューズやウェアは1万強あれば良質なものを購入できる。最近のランニングシューズは、ほとんど素足で走っているような履き心地の良いものも存在する。

NIKE ランニングシューズ

どの程度走るのか?

先に説明したように、脂肪が燃焼するまでには一般的に約20分の有酸素運動が必要とされると言われている。より正確に消費カロリーを計算するためにはMETS法と呼ばれる手法を利用するとよい。

MTESとは、運動時に消費したエネルギー量が、安静時のそれに比べて何倍に相当するかを示すものである。「METS係数」と呼ばれる独自の係数を使って、運動強度を計算式に導入している。計算式は以下の通りである。

体重(㎏) * METS数 * 運動時間(時間) =消費エネルギー(kcal)

例えば、体重60キロの人が、時速8キロのジョギングを30分行ったとすると、
60(㎏)× 8(METS)×0.5(時間)=240kcal
を消費したことになる。

MTES係数

なお、約20分後に脂肪が燃焼開始するというのはあくまで負荷次第である。1995年、アメリカのピッツバーグ大学にて、肥満女性を2つのグループに分けて対照実験が実施された。グループ1では、20~40分の継続的な運動を20週間継続させ、グループ2では、グループ1と同じ運動量の運動10分を小分けにして、これを20週間継続させた。この結果、グループ1では、平均約6kgの体重減少が見られたのに対して、グループ2では、平均約9kgの体重減少が見られた。

Jakicic, J.M., Wing, R.R., Butler, B.A., & Robertson, R.J. (1995). Prescribing exercise in multiple short bouts versus one continuous bout: effects on adherence, cardiorespiratory fitness, and weight loss in overweight women. International Journal of Obesity and Related Metabolic Disorders, 19, 893-901

モチベーションを維持するために

ランニング実施後の爽快感や達成感は格別のものがある。とはいえ、決して楽な運動ではないため、継続的に実施することは難しいかもしれない。そこで、継続的にモチベ―ションを維持するためのいくつかの工夫を紹介したい。

1. app

iPhone、Androidともにアプリを使って、走破距離、速度に関するデータを取得することができる。平均ペースや合計距離が計測できるだけではなく、ソーシャルネットワークを踏まえた、応援機能も実装されている。

runkeeper
nike +

2. コース
ジムでランニングマシンを使う場合、前回説明したHITに基づくトレーニングも実施できる。しかしながら、ジムの場合、景色が変わらないため、どうしても飽きが生じてしまう。ランニング中の気分転換を実現するためには、やはり屋外でのランニングをオススメしたい。Google Mapを利用すれば、地点間の距離も計測できるため、目的の距離に応じてオリジナルコースを作成することで、よりモチベーションの向上も期待できる。

3. 服装
ランニング時のシューズやウェアもモチベーションとなりうる。ランニングに合ったフィット感と軽さを追求したシューズを購入すれば、モチベーションも発揮されるだろう。

4. 音楽
ランニング中の気分転換には音楽も有効である。好きな音楽や、BPMの高めの音楽をBGMとして利用することで、無音状態と比較して、気晴らしになったり、リズミカルにランニングできるようになるだろう。

また、ランニング中のヘッドフォンも慎重に選択したい。通常のイヤホンではランニング中に汗で外れてしまったり、邪魔になることも多いはずだ。フィット感が強いものがが使用しやすく、特にBluetooth接続のイヤホンを利用すれば、ランニング中もケーブルが邪魔にならず、ストレスも軽減されるだろう。

ランニングを始めた当初は1km走るのが精一杯だった。現在、週に10kmをキロ5分のペースでランニングしても息もきれず、足腰にも特に問題がない程度には筋力や心肺能力は鍛えらている。まずは、少しずつストレスにならないように距離を増やしていくところから始めよう。

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