筋力トレーニングのスピードとインターバル

今回は、スピードとインターバルについて説明する。筋力トレーニングにおける目的と目的に対する適切な負荷を理解したあとには、さらに、適切な施行スピードと、トレーニング間の適切なインターバルを理解することで、より効率を高めることができるためである。

1セットのスピード

筋肥大が目的の場合、理想的な1セットの秒数は「40秒」と言われている。これは、乳酸を発生させる無酸素運動を全力で行った場合、持続時間は40秒程度であるためである。筋トレは無酸素運動であり、乳酸をより多く産生させる事により成長ホルモンが多く分泌され筋肉が発達すると考えられている。耐乳酸トレーニングとして筋トレを行う場合、2-3分も経過してしまえば、有酸素運動の領域になってしまい、効率が落ちてしまう。

上げのスピードが2-3秒、下げのスピードは、その2倍の目安で行うとして、1セットにかかる速度を測定し、40秒以内であるならば、負荷を下げる、あるいは、上げのスピードを遅くすればよい。逆に1分以上であるならば、負荷を上げる、もしくは、上げスピードを早くすればよい。

インターバル

1セットあたりのスピードは「40秒」であることは説明したが、セット間のインタ―バルを考える際にも、トレーニングの目的と照らしあわせて考える必要がある。

まず、筋肥大が目的の場合、インターバルは短めに取る。具体的には「1分から90秒」ほどで、短時間で集中的に追い込む。

一方、筋力アップが目的の場合、インターバルは長めに取る。具体的には、90秒から3分ほどで、筋繊維を休ませて、より多く働かせる。

高強度インターバルトレーニング(High-intensity interval training, HIT)

体脂肪を落としたいという場合には、HITがおすすめだ。HITは、最大心拍数の90%程度の高強度の運動を一定時間行ったあとに、低強度の運動または完全な休息をとるということを繰り返す形式のトレーニング方法である。

HITの中でも有名な例として立命館大学の田端教授が考案した「TABATAプロトコル」がある。

TABATAプロトコルでは、20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、8セットで疲労困憊に至る間欠運動を行います。8セット=4分間と聞くと、 「そんな短時間で効果があるの?」と感じるかもしれません。しかし田畑教授の研究の結果、4分間の間欠運動によって、大多数の人が「有酸素性エネルギー供給系」も「無酸素性エネルギー供給系」も、同時にかつ、最大に刺激されるということが証明されています。
http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/tokushu/140507/

Youtubeでは、自宅でできるTABATAプロトコルの事例も紹介されているので、ぜひ試してみてほしい。

次回より有酸素運動について説明する。

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