本物を食べる

引き続き、アンチエイジングの2つの実現要件(活性酸素のダメージを最小限に抑える、ホルモンバランスを整える)のための5つのアプローチを順に紹介していく。今回紹介するアプローチは、「3. 本物を食べる」だ。

オーガスト流フードヒーリングでは、可能な限り自然な環境で育てられた食品を余計な加工をしないで食べる、すなわち、ナチュラルフード(自然食品)をベースにした食生活を推奨しています。なぜならば、できるだけ自然に近い本物の食材を選ばないと、農薬、食品添加物などの有害物質を体内に取り込んでしまうためである。体内に有害物質を取り込んでしまうと、クレンジングしなければ身体の負担になるだけではなく、ホルモンバランスが崩れるきっかけになる。ホルモンバランスが崩れれば脳は、老化が進んだと勘違いしていまい、老化を促進するように、体内を調整してしまうのである。

自然に近い本物を食べるといっても、体内に入る全てのものを、オーガニック、自然農法、無農薬に切り替えていくことは難しいだろう。こういった食品は当然ながら金銭的コストもかさむためだ。また、食材にこだわりすぎる余り外食先を探すのもストレスになってくると逆効果である。本ブログでは、オーガスト流フードヒーリングを土台として、5つのルールをおすすめしたい。これらは日常生活において無理ののない範囲で実践できることを基準として選定した。

1. 加工食品を食べない

コンビニで売っている食べ物は大半が加工食品であるし、冷凍食品や惣菜も加工食品である。ファストフード、ファミレスなど、外食で口にする料理の多くは、業務用の加工食品を調理している。これらは、自然食品にはない甘味料、保存料、着色料といった食品添加物を大量に含んでいる。食品添加物で体内を汚してしまうとホルモンや免疫などのバランスが乱れて老化が進み、さらには体調を崩して病気を招くことにもつながる。

2. サプリメントに頼らない

野菜が身体に良いのは野菜に含まれている栄養素をまるごと摂取するから良いのであって、サプリメントは野菜の代わりにはならない。足りない栄養素を補うサポート役として摂取する場合も、化学的に作られた成分を配合したものの摂取は避けておくほうがよいだろう。

時にサプリメントの摂取はプラスではなく、マイナスの効果をもたらす場合もある。かつてニンジンやほうれん草に含まれているβカロテンには肺がんの予防効果があるとされていた。1994年にフィンランドでその効果を実証するために29000人の男性喫煙者を2グループに分け、一方に偽薬を投与し、他方にβカロテンのサプリを投与した。その結果、βカロテンのサプリを摂取したグループの発がんリスクが高くなるという結果が出たのである。

3. 人工甘味料を口にしない

糖質ゼロ、ノンカロリー飲料の大半には砂糖などの天然の糖質にかわって、アスパルテーム、スクラロースなどの人工甘味料が使われている。アスパルテームは、アミノ酸から作られ、砂糖の100-200倍の甘みを持ち、摂取すると大部分は分解も吸収もされず体外にでていくため、カロリーにならないという特長がある。しかしながら、FDA(アメリカ食品医薬局)やアメリカの多くの医師はアステルパームの危険性を警告しており、頭痛、倦怠感、睡眠障害、うつ病、脳へのダメージなどの原因になると言われている。一方、スクラロースは新たな農薬を作る研究過程でできた偶然の産物であり、砂糖のおよそ600倍の甘みがある。

砂糖に変わる甘味料として、ステビアがある。ステビアは南米原産の食物が含む甘味成分から作られる天然の甘味料であり、砂糖の300倍の甘みを持つ。体内に吸収されずに体外へ排出されるため、カロリーにならず、血糖値を上げる作用もない。

4. 酸化したアブラ(油膜)を避ける

アブラを高温で調理したり、長時間放置したりして酸化した過酸化脂質は、まわりの細胞やタンパク質を酸化して老化を早める超悪玉であり、アンチエイジングの大敵である。例えば、ファストフードのフライドチキンやフライドポテト、コンビニのホットコーナーやスーパーの惣菜コーナーに並ぶ唐揚げやコロッケなどの揚げ物、麺を一度植物油で揚げているカップ麺やインスタントラーメンには、過酸化脂質がたくさん含まれているため、避けるべきである。

5. トランス脂肪酸を避ける

最後に、人工的なトランス脂肪酸は、血管内で固まりやすく、心臓病やアレルギー疾患の要因となる。トランス脂肪酸は、胃や腸にはいると、消化管を膜を作り、栄養素を探知する受容体を覆ってしまう。その結果、栄養素の吸収が悪くなり、栄養不足になってしまう。トランス脂肪酸の摂取が多いアメリカでは、肥満症の半分以上が栄養不足だと言われている。これは、カロリー過多で太っているのに、摂取した栄養素が吸収されにくいため、栄養不足に陥ってしまうのである。トランス脂肪酸は、マーガリンに多く含まれるほか、スナック菓子やファストフードなどに含まれるショートニング、ファットスプレッドにも含まれている。

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