お腹をへこませるためのドローイン

「お腹が出ているけどどうしたらよい?」という相談をしばしば受ける。ダイエット工学の理論である、食事制限、有酸素運動、無酸素運動を継続的に行えば、目標体重に到達することはできるが、お腹のみを短期的・集中的に鍛える場合どのようにすればよいだろうか?今回はその1つの答えを提示したい。

お腹が出てくる原因

お腹が前に出る一番の理由は、内臓下垂である。本来、内蔵はお腹の中心に収まるはずであるが、腹周りには肋骨の様な骨がないため、筋肉で内蔵をお腹の中心に押さえ込んで収めている。しかし、加齢に伴い、お腹周りの筋肉が衰え出すと、内蔵を筋肉で押さえ込むことができなくなる。やがて、内蔵は下がり始めるだけではなく、前に出始める。これがお腹が出るメカニズムである。


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体幹トレーニング

お腹をへこませるためには、インナーマッスルを鍛えるべきであると一般的には言われている。インナーマッスルは、どこか1つの筋肉を指している言葉ではなく、体の奥にある筋肉の総称を指す。インナーマッスルはどのようにすれば鍛えることができるのかというと、体幹トレーニングが有効であるとされている。体幹は、手足や頭をのぞいた体の胴体部分を指す。体幹トレーニングは、身体の胴体部分にある、アウターマッスルとインナーマッスルの両方を鍛えるトレーニングを指す。

体幹には大きくわけると、横隔膜、骨盤底筋群、多裂筋、腹横筋の4つのインナーマッスルがある。

  • 横隔膜は、肺と胃などの内臓の間にあり、呼吸を助ける筋肉である。
  • ・骨盤底筋群は、下腹部の臓器を支える筋肉の総称である。肛門、尿道、膣を締める働きがある。緩みやすい性質のため、腰痛、便秘、猫背、O脚、X脚の原因となる。
  • ・多裂筋は、脊柱の骨に直接ついてて、腰骨と骨盤をつないで、腰を安定させる筋肉である。多裂筋は良い姿勢を維持するために重要な筋肉で、衰えてしまうと、腰痛の原因となる。
  • ・腹横筋は、腰回りを包み込み安定させる筋肉である。腹横筋も腰を支えている筋肉であるため、衰えてしまうと、腰痛の原因となったり、姿勢が悪くなる原因となる。また、腹横筋は内臓を正しい位置に収める働きがあるため、お腹が出てくる原因となる。
  • ドローイン

    体幹トレーングの基本に「ドローイン」がある。ドローインとは、「空気をゆっくり吸い込んでおなかを膨らませ、ゆっくり息を吐きながら、徐々におなかをへこませる行為 」を指す。

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    ドローイングの基本は、以下の3ステップで構成されている。これを1セットとして、10セットを目安に実施する。
    1. 立った状態で姿勢を正します。
    2. 息を吐きながらお腹を凹ましていき、ヒップに力を込めていきます。
    3. この状態を15~30秒間維持します。


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    効果

    サッカーの長友選手のトレーナー木場克己氏によれば、ドローイングには以下のような効果があるとされている。

    1つ目は、体幹の強化に欠かせないインナーマッスルに刺激を与えられる点です。ドローインによって、腹横筋や腹斜筋、横隔膜、骨盤底筋群といったインナーマッスルに刺激が入り、体の内側からおなかをしぼることで、おなかの内部にかかる圧力の腹圧が高まります。そのため、体幹部の強化にうってつけです。結果的に、表面の大きな筋肉であるアウターマッスルとの連動性を高め、体幹トレーニングとしても効果が増します。

    2つ目は、内臓の働きを活性化させる点です。下半身への血のめぐりがよくなり、腹圧も高まって、腸を中心に内臓の働きが活発になります。実際にドローインによって、内臓の働きがよくなると、おならが出やすくなります。しかし、これは体幹がしっかりと鍛えられ、腸をはじめとする内臓が活性化されていることの何よりの証明です。

    3つ目の効果としてあげられるのが、エネルギー代謝量の向上による脂肪の燃焼です。ドローインによって刺激を受ける筋肉は、普段の日常生活ではなかなか意識的に使われることのないインナーマッスル。ここに刺激が入ると、動かせる筋肉が増えます。その分だけ、基礎代謝も上がりますから、脂肪がより燃えやすくなるのです。

    via http://shuchi.php.co.jp/article/1089

    また、数年前に流行した「ロングブレスダイエット」は、ドローインを組み込んでいる。

    基本姿勢
    ・お尻にエクボができるくらい力を入れる(肛門を占める)
    ・足を前後させ、後ろに体重の90%を持ってくる
    ・上体は常に真っ直ぐで、前のめりにも、反ったりもしない

    3ステップ
    1. 基本姿勢をとる
    2. 息を3秒吸いながら、両手を頭の上に持ってくる
    3. 両手を下に下ろしながら、全身に力をいれ、息を7秒で吐く(最初の3秒で強く吐き、残り4秒でゆっくり吐ききる)

    ドローイングを活用した部位別のトレーニング

    部位別のトレーニングについては、以下のビデオによくまとめられているので参照して欲しい。

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