前回紹介したドローインの基本の動きは、満員電車やちょっとした待ち時間でも実施できるトレーニングであった。今回はその流れを継承して、筋肉を動かさないトレーニング、アイソメトリック・トレーニングを紹介する。
筋力トレーニングには、筋肉の収縮の方法によってアイソトニック・トレーニング(等張性筋力トレーニング)とアイソメトリック・トレーニング(等尺性筋力トレーニング)の2種類が存在する。アイソトニック・トレーニングは、一般的に行われているウエイトトレーニングを指す。一方、アイソメトリック・トレーニングは、筋肉を動かさずに最大筋力を発揮し、一定時間維持するトレーニング法を指す。アイソメトリックスは静的運動という意味で、筋肉を動かさずに力を入れる状態を指す。
メリット
アイソメトリック・トレーニングのメリットは主に3点ある。まず、器具を使わず、筋肉を動かさないため、いつでもどこでもできる。また、関節を動かすことなく筋肉に負荷を与えるトレーニングであるため、関節に問題を抱えているヒトでも活用できる。さらには、筋肉の疲労が少なく、オーバーワークになりづらい。
やり方
アイソメトリック・トレーニングは、最大筋力の70%ほどの力で10秒ほど出し続け、これを1セットとして2~3セット行う。セット間のインターバルは20秒ほどで行う。
大胸筋
1.両手の手のひらを胸の前であわせる。
2.この時ひじを横に張る。
3.そのまま両手のひらを押し続ける。
後背筋
1.床に座って両膝を曲げて膝の下あたりに両手を添える。
2.両方の肩甲骨を寄せるようにしながら膝を身体の方に引っ張る。
三角筋
1.両手の手の指を胸の前で組む。
2.この時ひじを横に張るようにする。
3.そのまま両手を引っ張り続ける。
腹筋
1.椅子に座って両腕を伸ばした状態で両膝に添える。
2.やや下方を向き、両膝を押し続ける。
上腕ニ頭筋
1.片方の腕を軽く曲げ、上方に上げようとする。
2.もう片方の腕で、それを阻止しようとして押さえつける。
大腿四頭筋
1.両手を前に出しバランスをとりながら、かかとを上げる。
2.そのまま腰を後ろに突き出し膝を曲げていく。
3.中腰の状態で静止し続ける。
via. http://everyman.client.jp/isometrics.html
部位別のトレーニングについては、以下のビデオによくまとめられている。